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精索静脈瘤

精索静脈瘤は、精巣から、心臓に帰るべきはずの静脈血流が良くないため、古い血液が精巣静脈内部にたまって静脈瘤(静脈が拡張して、こぶ状となり、血液逆流が起こりやすい)となっている状態のことで、精巣内部の精子の元になる細胞に悪影響を与えます。男性不妊症の中でも原因疾患として最も多いものですが、手術にて治療することが可能です。治療することで、精巣の細胞の環境が改善され、数か月後から精液の検査結果が70-80%の症例で改善していくことが期待できます。つまり適切な精索静脈瘤の治療で、より妊娠しやすい条件が整います。

精索静脈瘤の治療について(顕微鏡下内精索静脈低位結紮手術)

精索静脈瘤の治療の中で最も安全で治療効果も高いものです。

手術の流れ
<手術当日>
手術当日の体調チェック。
点滴をして手術台に寝ていただきます。 血圧計や心電図もつけます。
陰部の毛はこの時に処理します。

<手術の開始>
  • 局所麻酔と静脈麻酔(時に筋肉注射)下に鎮痛処置をします。
  • 鼠径部(またの付け根あたり)に5cmほどの斜めの皮膚切開をします。
  • 精索(精嚢に向かう動脈・静脈・リンパ管などの集まった束で15ミリほどの直径)を露出します。
  • 顕微鏡で手術します。大切な動脈やリンパ管や神経は温存して傷つけずに、静脈瘤の異常な血管(内精索静脈)のみ処置(低位結紮)をして精巣に古い静脈血が逆流しないようにします。
  • 止血確認して傷を閉じて終了です。

[ 手術時間 ]
精索の血管の数、走行、皮下の脂肪量、麻酔薬の効き具合などで左右されます。
通常症例では約30分以下、困難症例でも約50分程度の所用時間です。
当院での手術では、動脈やリンパ管の剥離を先行して行い、かつ陰部への神経温存も行い、手術時間短縮と疼痛軽減を目指しています。

※手術中に、傷痛みや陰部の不快感など時に起こりますが、その時は休憩しながら、患者さんのペースで手術を行いますのでご安心ください。
<手術の後>
術後数時間クリニック内専用ベッドで静かに、ゆっくり休憩いただけます。
一般的には翌日から通常勤務やシャワーなど十分可能です。

手術の合併症について
  • 内出血(創部から陰嚢にかけての皮下出血が原因):0.5%以下
  • 傷の感染、化膿:まれです。
  • 精巣萎縮(精巣が小さくなる):まれです。
  • 陰嚢のむくみ:これはしばしばみられます。少しむくんだ感じでほぼ全例2週間程度で自然治癒します。体への問題はありません。手術の自然な影響のためのむくみです。
  • 傷の痛み:これは軽度ですが数日から数週間 個人差があります。強い痛みの症例はまずありませんのでご安心ください。
手術後の経過観察について
約3~4か月すると70-80%の症例で精液の検査結果が改善します。この時期に精液検査の再検査が必要です。最低でも1年くらいは経過観察が必要です。残念ながら検査結果があまり変わらない一部の症例には薬物的な治療も追加して経過観察となります。
「精索静脈瘤」の手術を受けられる患者さんへ

無精子症

無精子症とは、精液中に全く精子がいない状態で、下記の分類があります。

1. 精子が作られていない状態。(造精機能障害)
  • 先天的な要因(特発性造精機能障害、染色体の異常、ホルモンの欠損症など)
  • 後天的な要因(内分泌障害、抗がん剤などの薬物や放射線の影響、外傷の影響、ムンプス精巣炎などの後遺症など、精巣摘出の手術後など)
2. 精子が作られているが、種々の原因で体外に出てこない状態。(閉塞性無精子症)

無精子症の治療について

治療法は無精子の要因によって異なります。

<ホルモンバランスの異常など内分泌に問題がある場合>
主に注射や薬などの薬物治療を行います。

<先天的に精子が作られていない場合>
遺伝子異常の検査結果など踏まえて、詳細な御相談の上に方針決定します。
あくまで検査結果などによりますが、顕微鏡下精巣内精子採取手術を行い、顕微鏡授精の治療になることが多いです。

顕微鏡下精巣内精子採取手術について

手術の流れ
<手術当日>
手術当日の体調チェック。
点滴をして手術台に寝ていただきます。血圧計や心電図もつけます。
陰部の毛はこの時に処理します。
<手術の開始>
局所麻酔にて鎮痛処置をします。
陰嚢部に小さい横切開をします。(陰嚢皮膚に隠れ目立ちません。たまに縦切開の症例もあります)
精巣を包む白膜を露出して、顕微鏡下に手術をすすめます。
白膜切開して精巣内部の組織を観察します。

この際、精巣の微細な血管は丁寧に温存して、精巣へのダメージを最小限にします。
精巣組織をよく観察して、精子の含まれていそうな部位(精細管という組織なのですが精子がいそうかどうかの見た目は、手術経験をつむことで判定できるようになってきます)を少しずつ探索して、その都度、顕微鏡で精子の有無を確認します。
ごく少量ずつの組織採取と探索を継続して、顕微授精ができる精子の採取を目標にします。
目的の精子採取が完了すれば止血処置をして、傷を閉鎖し終了です。

手術時間:30~90分程度

当院長は平成12年からこの手術に取り組んでまいりました。日本国内では最も初期の段階から、顕微鏡下での精巣内精子採取を目指してきました。微細な血管の温存、サンプル採取の際のマッピング法など工夫を重ね、精子採取率の上昇と術後の精巣機能低下のリスク低減を目指します。
<手術の後>
術後数時間クリニック内専用ベッドで静かに、ゆっくり休憩いただけます。
一般的には翌日から通常勤務やシャワーなど十分可能です。

手術の合併症について
  • 陰嚢の腫大、内出血など(めったにありません)
  • 傷の感染(まれです)
  • 術後の男性ホルモン低下:
まれですが、術前の採血検査、精巣容積などから、予想がつきますので可能な限り予防します。
必要以上に精巣組織を痛めつけることは回避いたします。

ドクターからメッセージ
最後に残念ながら、必ずしも全例で精子採取が可能なわけではありません。 したがって、この手術術式は、お子様を授かるための重要かつ最善の手段ではありますが完璧な手段ではありません。不成功に終わる可能性も含まれていることは、十分に御理解ください。 しかし、実子が欲しいご夫妻には必要不可欠な手術です。結果に満足いかない場合は、ご夫妻と詳細に面談の上、次の方針を決定いたします。
「精巣内精子採取手術」の手術を受けられる患者さんへ

包茎手術

包茎について

包茎には
真性包茎 男性器の亀頭部が包皮(皮膚)に包まれたままで外に露出しない
仮性包茎 非常に露出しにくい状態(通常は皮が亀頭を覆っている)
嵌頓包茎 包皮が狭小化(狭いところがある)しているために勃起時や包皮飜転(皮をめくる)時に 陰茎を締め付けてしまい痛みがある、または腫れてくる。(一部は緊急で整復が必要
などの症例があります。

包茎自体が緊急性の高い疾患ではありませんが、亀頭部が常時皮膚に覆われていますので、不潔になりやすく、性行為感染症のリスクが高いなどと言われております。また勃起時痛みなどあれば性行為障害につながりますので、手術にての治療をお勧めします。

包茎の手術について

※重症の真性包茎以外は保険適応外の手術になります(料金表参照)
  • 局所麻酔にて30分程度で終了します。
  • 見た目がきれいに、格好良くなるように手術は工夫します。
  • 性感の敏感な皮膚は温存して性行為に支障がないように配慮します。
  • 溶ける糸で縫合しますので抜糸などの処置は不要です。
  • 浮腫(むくみ)はほぼ全例に起こります。約1-3週間で自然軽快します。
  • まれに感染や縫合不全(再縫合が必要になることはめったにございません)があります。
  • 医師の診察指示にしたがって入浴や性行為は開始可能です。
  • 入浴や性行為の開始などについては、医師の指示にしたがってください。
  • 術後、安全のため数回は診察が必要になりますのでご理解ください。
「包茎手術」の手術を受けられる患者さんへ

手術検討中の方々へのお知らせ

当院で行っている主な手術について、手術をご検討される際の参考になるべく、当院での手術についての説明をご覧頂く事も可能になりました。
実際、手術をお考えの方などご参考になさってくださると幸いです。術前であれば当院担当医師や担当看護師からも同様な説明は詳しくいたします。