
男性更年期障害はLOH症候群 late onset hypogonadism加齢性腺機能低下症といわれるものです。男性の更年期障害 つまり女性の更年期障害に対応している疾患ですが、少し、男性更年期障害の場合は女性の場合とは様相が異なります。とても大切な疾患であり、男性の健康寿命にも大きく関わり、何より生活の質(QOL)に直結する病態でもあります。是非とも皆様、特に男性諸氏には知っていただきたい疾患の概念です。
※一部のホルモン補充療法や投薬・検査について保険適応外になります。詳細は【料金表】を参照してください。「男性更年期」といった言葉を皆さんは聞いたことがありますか?
女性の更年期障害については一般的に認知されている傾向がありますが、男性の場合はどうでしょうか?
男性についても年齢の進行、つまり加齢によって、いわゆる若い時の男性としての活力や精神的なエネルギーが低下しうるものです。
男性にとっての活力とは、「意欲」「闘争心」「決断力」「性欲」「性的能力」などがあげられます。バイタリティーとも呼ばれますが、このような一連の力の低下が問題になってきます。
そして「睡眠」「食欲」「判断力」「記憶力」「精神状態」にも影響が及び、一部「視力」「聴力」についても反応が見られることがあります。 まさに男性として、心身広範囲に少なくない諸症状が出る可能性があるものが、「男性更年期症状」と言えます。 そして一部の男性にとっては大きな苦痛を伴うほどの身体・精神症状が出るほどに、男性としてのホルモンバランスの乱れなどが起こってしまうことがあります。
また、人によっては、医療機関に相談したものの器質的な異常が無いと言われ原因がよくわからずに、心療内科に通院したり、内科に通院したりしても今一つ改善しないことがあります。
当院では「男性科」診療所として、男子諸氏のより健康で活力ある人生のお手伝いをしたいと常に望んでいます。そして、単純な男性としてのホルモンのバランスの問題だけではなく、運動不足や食生活の乱れ、ストレス過多の生活など、生活習慣全般のより健康的な方向性への修正の助力も大切にしています。単なるホルモンのみの問題ではなく、総合的な因子が絡み、壮年期や一部青年期の男性諸氏の活力低下が起こります。性的能力、勃起能力だけの問題でもなく、あらゆる精神状態に大きな影響が出る男性更年期の問題です。当院の重視することは、適切に各症例に真摯に対応し、医療、食習慣、運動習慣、メンタルトレーニング的な側面から、あらゆるサポートを行い、全力で皆様の人生の喜び、充実感の向上に取り組みたいと思います。
まずお気軽に相談に来院してください。医療法人男健会北村クリニック、全スタッフがお待ちしております。
問診、採血検査など
一般的には、以上の問診などを参考にして症状のスコアを算出します。そして採血検査では特にテストステロン(男性ホルモン)の値が大変重要になってきます。他に下垂体のホルモン、ゴナドトロピンなども重要です。生活習慣病のチェックも並行することもあります。
血中の遊離テストステロン値 8.5pg/ml 未満(日本国内の2019年時点での測定キットでの指標)が基準値になっております。
血中の遊離テストステロン値 8.5pg/ml~10.0pg/ml はテストステロン低下の境界群と言われます。
国際的には血中の 総テストステロン値が 300~320 ng/ml が男性更年期障害(LOH症候群)の基準となっております。
しかし数値の範囲以外に、臨床症状の大変重要で、数値が正常でも症状が強くつらい方もおられますし、数値が悪くても全く問題ない場合もあります。個々の症例に応じてしっかり対応していくことが肝要です。
男性ホルモンで最も大切なテストステロンについては当院の「テストステロンについて」の説明ページがありますのでご覧ください。
ここでは特に男性の性欲低下のことを述べたいと思います。性欲の低下はとても大切な症状です。性欲低下のことを、性欲減退とも表現します。性欲低下とは、性に関する衝動や欲求の低下であり、男性の場合には、通常は異性である女性への興味や性行動への願望などが低下することと言えます。
人には様々な「欲」がありますが、代表的なものは食欲です。この食欲低下も重大な健康上の問題の表れであることも多く、同様に、性欲についても、その低下において、何らかの心身の異常のサインであるのです。
※性欲は医療の現場や医学書ではlibido、リビドーともよく言われますが、他に、性欲は、性への衝動感(sex drive)、性要求(sexual desire)、性欲・情欲(lust)などの表現もあるようです。
さて、この性欲については当然個人差があります。もともと希薄な場合をこの場で指すのではなく、通常範囲の性欲の方が成人後、急に、あるいは慢性経過をもって、いつの間にか、「性欲低下」の状況になった場合を考えていきます。
性欲低下の原因は
以上などの根拠から、性欲低下(性欲減退)が様々な疾患の発見の端緒になる可能性があると言えます。しかも性欲低下は、血圧や体温などの様に、外から測定はできませんので、自己でその性欲低下を自覚して申告していただくことが必要になってきます。あるいは、一部ではパートナーからの訴えもあるかもしれません。
このように、性欲低下についてはとても重要な症状の一つであると言えますので、自覚した場合には、ご相談をいただければ幸いでございます。
※ | 自分の子供を今後、希望する場合は適応外です。 |
※ | 前立腺癌あるいは、その疑いがある人や、男性ホルモンの投与が禁忌の患者さんには適応外です。 |
現在、テストステロンの補充の方法については、いくつかのものがありますが、日本国内においては、外来レベルでは、主にテストステロン製剤の筋肉注射での投与が多く、一部ゲル製剤の使用がされる状況となっています。
などがあります。
しかし、安全性や吸収の予測のしやすさの観点からみて、日本国内での外来、男性更年期障害の治療の外来では、テストステロンの筋肉注射が主役になっています。内服薬も諸外国では使用がありますが、肝障害の問題、肝臓腫瘍の発生や吸収の不安定さが問題になります。テストステロンのゲル剤も有効ではありますが、注射に比してより安価なものが求められる状況であります。
しかし、安全性や吸収の予測のしやすさの観点からみて、日本国内での外来、男性更年期障害の治療の外来では、テストステロンの筋肉注射が主役になっています。内服薬も諸外国では使用がありますが、肝障害の問題、肝臓腫瘍の発生や吸収の不安定さが問題になります。テストステロンのゲル剤も有効ではありますが、注射に比してより安価なものが求められる状況であります。
テストステロンの補充療法の実際としては、テストステロン製剤の筋肉注射125-250mgをおおむね2-4週間に一回、離脱時期では、6-8週間に一回のペースで投与を行っていきます。
また、テストステロン補充療法での副作用としてはいくつか念のため注意をしつつ治療を継続していきますが、テストステロン補充療法の副作用としては下記のものが主にあります。
以上などの副作用に注意しつつ、採血データや、症状や満足度の変化などに気を配りつつ、テストステロン補充療法を行っていくことになります。
男性ホルモン、主として血中のテストステロンの減少による男性更年期症状の場合に、テストステロンの補充療法と共に、有効な補助療法として、漢方薬もよく使用されます。個々の症例に応じて、体力や精神面や、体質など勘案して総合的に最適な薬剤を選択して処方します。
胃腸の働きの低下と元気の喪失。虚弱体質、疲労検体、食欲不振、衰弱、寝汗、などとともに、乏精子症や無力精子症の精子所見改善のためや精力アップのために特に妊活世代の男性諸氏によく用いられます。主成分の一つは高麗人参で、抗酸化作用の期待できる陳皮なども含有されます。
病後や術後など体力低下の時、疲労倦怠感、食欲不振、寝汗、手足の冷え症、貧血傾向。気力体力の低下を感じる。
病後などの体力低下時、疲労検体、食欲不振、寝汗、手足の冷え、貧血傾向
特に最近では高齢者の筋力低下症、フレイル症候群の予防にも効果的とされています。青年期、中年男性諸氏にも、精力増加や疲労回復を狙って処方されることが多く、主成分の一つは高麗人参です。
疲労傾向、四肢の冷え症、尿量減少や逆に多尿頻尿傾向、下腹部痛、腰痛症、しびれ、かすみ目、排尿困難、頻尿、むくみなど。前立腺肥大症傾向の重複する、頻尿などの諸症状の緩和にも用いられます。血圧、脈拍増加作用のある地黄が含有されていますので高血圧症例や頻脈症例には多少注意が必要です。
疲労しやすい。四肢冷え性、排尿困難、頻尿、むくみなど。疲労回復よりも頻尿に効果がある漢方薬としてしばしば夜間頻尿症などに用いられます。
心因的なうつ症状、気分がふさぐ、咽頭の違和感、食堂違和感、動悸、不安神経症、神経性胃腸炎、など主に精神的な要素の多い症例に用いられます。