はじめに

性病と聞いて、なんとなく悪い後ろめたいイメージがありますか?人によっては恥ずかしいし隠したい、病院に行きたくないという思いがでるかもしれません。しかし、性病はありふれた病気で日常よく見かける一般的な疾患です。「性病」という名前の問題、なんとなくのイメージの悪い印象ありますが、通常の疾患と同じように、しっかり治療していくことが大切です。さらに他者に感染させる病気であり早期発見がとても大切であるのが性病、性感染症です。
性病は性行為感染症、性感染症などと言われます。人間は生きている限り感染症とは一生闘いが必要です。当院では大変多くの性病(性感染症、性行為感染症)の患者さんが来院されます。
来院してくださった皆様のお悩みにしっかり耳を傾け、親身に診療にあたって参ります。
プライバシーについても厳守し皆様の心身の健康のため尽力していきたいと思います。ご安心ください。性病(性感染症、性行為感染症)の心配があった場合、できるだけ速やかに相談に来院してください。宜しくお願いします。

クラミジア尿道炎

性感染症(性病関連)イメージ1

日本人でもっとも多い性感染症であります。男性も女性も半数程度の症例では無症状なので注意が必要です。男性の場合、尿道や前立腺、精巣上体などに感染をおこします。精子の通過経路である精巣上体に感染が強いと、精子の悪化や無精子症の原因にもなります。
女性の場合でも卵管や骨盤周囲の炎症から卵管閉塞の原因や、女性の不妊症の原因にもなり得ますし卵管の狭窄などから子宮外妊娠のリスクも上がるとされています。
女性は特に若年層の感染者が多い傾向があります。 男女とも非常に大切な性感染症です。日常数多くの患者さんの治療を当院では行っています。

よくある症状

  • 尿道の違和感、掻痒感、かゆみのような感じ
  • 排尿時尿道が痛む、熱い感じがある
  • 尿道出口から分泌物が出てくる
  • 残尿感、おしっこしてすっきりしない感じがある

などです。

パートナーにクラミジア感染症が判明して受診されるケースも大変多くあります。
クラミジア患者さんと接触があった場合には速やかに受診していただくことが望ましいです。反復して何度も感染する方もいらっしゃいます。その都度治療が必要になります。

クラミジア尿道炎についてさらに詳しく

クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)という病原体よる感染症です。性行為などにより、女性の子宮頚管や男性の尿道、咽頭粘膜(喉の粘膜)などに感染します。本疾患はわが国で最も多い性感染症(STD)となります。オーラルセックスでも伝染します。したがって通常の性器どうしの性行為がなくともクラミジア感染症になることが少なくないので注意が必要です。妊婦検診で3~5%の女性に、クラミジア保菌が認められています。妊婦感染の場合は出産時に子どもに感染し、新生児結膜炎や肺炎の原因にもなります。
咽頭粘膜感染、つまり喉(のど)の感染も少なからず見られます。喉の感染はうがい液のPCR検査などで判定が可能です。
咽頭の症状もある場合は当然ですが、無症状でもクラミジア尿道炎のある場合には、咽頭部のクラミジア検査も強く推奨されます。
男性では尿道炎が最も多い病態です。精巣上体炎の原因としても重要です。精巣上体炎の原因のクラミジアは、男性不妊症の原因になりえます。排尿痛、 尿道不快感、そう痒感などの自覚症状があります。無症状の場合も多いです。よくある症状は、尿道の熱い感じ、むずむずする感じ、尿道がむずがゆい、などです。多少の透明や白色の尿道分泌物も出る可能性があります。淋菌性尿道炎に比べて潜伏期間は長いと言われ成書では2~3週間とされていますが、臨床現場では、接触一週間以内でも症状が発現していることも少なくないです。アジスロマイシンという抗生物質の内服が現在は最も有効と考えます。90~92%はアジスロマイシンのみで治療可能です。他、テトラサイクリン系、ニューキノロン系抗菌剤が有効です。パートナーとのうつしあいっこ(ピンポン感染)も多いのでパートナーと共に、両者同時にしっかり治療することが大切です。いったん治癒しても再接触で、また感染を起こします。何度も再感染する症例が臨床現場ではしばしばです。そして、治療も大切ですが、クラミジアが完治したことの確認も、必ずしっかり行いましょう。

クラミジア感染症でのトピック

クラミジアでは現在一般臨床においては、PCR検査、つまりクラミジア遺伝子のDNAである核酸を増幅して検出する方法が広く行われております。他の抗原検査や血液検査などに比してかなり正確であり患者さんの検査の身体的負担もほぼ無いものとなっているため、普及しています。しかし最近では、クラミジアの遺伝子変異のため、このPCR検査から逃れてしまう、あたかも忍者のような、特異な株もあることがわかっています。まだ現在では少数で臨床現場では無視しうるレベルですが、将来どのような分布になるか注視しておく必要があります。
また、もう一つは、臨床現場でしばしばあることですが、女性が子宮頚部の検査にて、産婦人科医師から、クラミジア陽性と伝達され、パートナー男性が無症状であるが当院に初診されるケースもあります。そのような症例の場合、男性が尿検査のみでクラミジア陰性であっても、口腔内のみクラミジアが陽性のケースが時にあります。よく、女性の悩みで、「私がクラミジアになっているのに彼氏がクラミジア陰性だった。私は他者への接触など絶対に無いのにとても不思議で困っている。」などがあります。男性の受診医療機関で、咽頭クラミジアのことが検査されていないと、上述の不可思議なケースにもなります。男性が咽頭クラミジアのみ陽性のケースでは、クラミジア感染症のある女性の性器へのオーラルセックス、臨床現場でよくあるのは性風俗従事者女性の性器を舐めることなどから、咽頭感染のみ発生しているものもあります。こうして慎重に考えれば、尿も咽頭も、クラミジアについては両者検査しておくことが、本当ならば望ましいと言えます。咽頭クラミジアも、うがい液の適切な採取のみで、全く負担も痛みもなくすぐにPCR検査できますので、当院に受診の際には是非ご相談ください。

クラミジアと男性不妊症について

クラミジア感染症は男性不妊症と密接な関係があります。重症の精巣上体炎などで精子の通過性が閉塞することで無精子症の発生を起こすことはもちろんですが、無精子症患者さんの精巣組織の内部でもクラミジア抗原が検出されクラミジア感染症と重症な精子を作る、機能(造精機能)の低下症の関連が明らかになっています。またクラミジアの抗原自体が、精液の産出に関わる前立腺の上皮細胞や精巣内部のセルトリ細胞を障害することも判明しています。たかが尿道炎ではなく、クラミジアの感染症は男性不妊症にとって非常に大きい意味のあることであると認識する必要があります。男性不妊症患者さん全体でのクラミジア感染症の有病率は20%程度もあるとする解析研究もあります。改めて我々は全員クラミジア感染症の重要性を再度しっかり自覚すべきでしょう。

淋菌性尿道炎(淋病)

前述したクラミジア感染症と同じように尿道・膀胱などに感染して尿道炎をおこします。クラミジア感染症よりも男性の場合には症状がはっきりしていることが多いです。女性の場合は症状が軽いケースがあります。
そして淋菌で非常に大切なことは薬剤抵抗性が強いということです。近年では世界的にも、抗生物質に抵抗力をつけた淋菌が多いため、大変問題になっております。
現在の日本国内の淋菌は、飲み薬での効果が低くなってきているため、第一選択は点滴療法が推奨されることになりますが、この点滴療法での有効性はまだ現在では高い著効率です。通常一回点滴で治癒することが多いですが何回か点滴治療する症例もあります。放置すれば炎症が尿道以外にも広がります。
また尿道の粘膜が傷つき、後遺症で狭窄(内腔が狭くなり尿が通りにくくなる)が起こると少し厄介です。また淋菌は咽頭や関節などほかの部位に感染を起こすこともありますので注意が必要です。
またクラミジアとの合併感染も少なくありませんし、淋病罹患の男性は、梅毒やHIV感染率も一般の確率よりも高い傾向があることが分かっています。

よくある症状

  • 排尿時の痛み、灼熱感(クラミジアより強い傾向があります)
  • 尿道から膿が出る(これもクラミジアよりもはっきりしている傾向があり、排膿も透明ではなく黄色や褐色など有色のことが多いです)

咽頭の淋病は男女とも症状が軽く、多少咽頭違和感がある、とか喀痰が多めなどくらいであることが多いです。
女性の子宮頸部の淋病は症状が軽いケースが多いです。

などです。

淋病についてさらに詳しく

淋菌(Neisseria gonorrhoeae)という細菌が原因です。性行為により尿道や子宮頚管、咽頭粘膜(喉の粘膜)などに感染。女性は症状が軽いので注意が必要。淋菌性尿道炎は接触3~7日くらいで症状が出ます。排尿痛、排尿時灼熱感、尿道口からの排膿などがあります。膿も黄色や、褐色、クリーム色などいろいろですが無色のことは少ない印象です。クラミジア尿道炎より症状が強い傾向があります。クラミジアとの同時感染も多いです。妊婦が感染と新生児結膜炎の原因になり稀に赤ちゃんの失明につながります。淋菌性咽頭炎も比較的多い疾患です。オーラルセックス、口腔性交でも感染します。抗生物質の点滴(セフトリアキソン)が現時点では最も有効です。また臀部への筋肉注射のスペクチノマイシン注射も淋菌性尿道炎では適応があります。淋病については、内服薬の効果が低く耐性菌が多いので適切な治療選択が重要であり注意が必要です。

尿道炎について

尿道炎は非常に多い感染症の一つです。性行為感染症、性感染症でも一番多いものです。
当院外来でも、一番性感染症関連で相談が多い症状は、排尿時疼痛、排尿時不快感や違和感、淋病や、クラミジアで尿道炎の60~70%を占めます。したがってこの淋病やクラミジアが主な尿道炎の病原体であることは間違いありませんが、30~40%程度は非淋菌非クラミジア性尿道炎なのです。

尿道炎の起炎菌は多彩であります。
マイコプラズマやウレアプラズマ(ureaplasma urealyticum)も非淋菌非クラミジア尿道炎の20%程度、また咽頭などの常在菌のインフルエンザ菌も非淋菌非クラミジア尿道炎の14%程度に認められます。オーラルセックスからの感染が考えられます。そしてウイルス性の尿道炎の原因としてアデノウイルス感染もあります。これは非淋菌非クラミジア尿道炎の16%程度の検出があり少なくありません。アデノウイルス感染では強めの排尿時痛や外尿道口周囲炎などをおこし、眼の結膜炎なども合併することもあります。またヘルペスウイルスのⅠ型Ⅱ型も各々、非淋菌非クラミジア尿道炎の7%・3%程度に分離されますし、また注意すべきは、陰部の皮膚病変の無いケースもあります。また他には膣トリコモナスもありますが、高感度の膣トリコモナスPCR検査で検査したところ(通常は膣トリコモナス鏡検や培養検査にて検出可能です)でも非淋菌非クラミジア尿道炎の中でも1%程度と、頻度的には膣トリコモナス尿道炎は比較的まれな疾患であります。
このように尿道炎と言っても多彩な病原体が関与しており、臨床現場では検査結果や症状・臨床経緯と共に総合的に各々適切な治療判断が求められます。 日本でもマイコプラズマ・ジェニタリウム(mycoplasma genitalium)や膣トリコモナスの遺伝子PCR検査などが一般臨床現場まで早急に普及することが期待されます。なお、男性の場合、「パートナーが膣トリコモナス」との相談が多いですが、保険適応のトリコモナスの鏡検査も可能ですが、感度が低い問題点もあるため、より精密で精度の高い、トリコモナスPCR検査(保険適応外、料金表参照)も可能ですので是非ご利用ください。

マイコプラズマ・ジェニタリウム(mycoplasma genitalium)の問題点

非淋菌非クラミジア性の尿道炎、前立腺炎でマイコプラズマ・ジェニタリウム(mycoplasma genitalium)はかなり重要です。しつこい慢性前立腺炎の中にもこの菌が隠れているかもしれません。
または慢性的な精巣上体炎の原因になっている可能性もあります。さらには、クラミジアなどと比較して、マイコプラズマ・ジェニタリウム(mycoplasma genitalium)はとても薬剤抵抗性が高いという問題があります。
一般臨床現場でもしばしば治療を必要としますが、ジスロマックなどの治療、シタフロキサシンなどのキノロン系、ドキシサイクリン系、ミノサイクリン系などの抗菌剤などに抵抗性の症例もままあります。なかなか完治まで時間がかかる症例も多いものです。
難治性症例では、スペクチノマイシンの注射も使用される例があります。
臨臨床現場において、マイコプラズマ・ジェニタリウム(mycoplasma genitalium)の薬剤感受性を正確に簡便に検査できることが急務であると思われます。
今まで検査もされずに見過ごされている、長期の膿尿や、しつこい尿道分泌物で困っている症例、よく慢性前立腺炎などと診断されて起炎菌が不明なケースなどに、このマイコプラズマ・ジェニタリウム(mycoplasma genitalium)が判明することがしばしばあります。
非淋菌非クラミジアの尿道炎、前立腺炎の症例において、一般細菌培養とマイコプラズマとウレアプラズマのPCR検査は非常に重要性が高いものだと当院では考えております。

ウレアプラズマについて

ウレアプラズマは尿道炎の原因になり得る病原体です。非淋菌非クラミジア性尿道炎の一定数にこのウレアプラズマの感染者があると判明しています。常在菌ではなく、基本的には低毒性の病原体ですが、尿道炎、前立腺炎、精巣上体炎の原因になることがあります。
問題となるウレアプラズマはマイコプラズマの仲間の病原体で、男性の感染症として重要なのはウレアプラズマ・パルバムとウレアプラズマ・ウレアリチカムがあります。前者の感染の場合の方が軽症状のことが多いです。無症状もあります。後者のウレアプラズマ・ウレアリチカムに感染した場合、排尿時痛、違和感、尿道から分泌物、尿道の掻痒感、むずむずする感じなど典型的尿道炎症状を発生することが、前者のウレアプラズマ・パルバムより、多いとされます。
しかし無症候性とはいっても、進行して、精巣上体炎や前立腺炎の発症につながる可能性もあるため、適切な除菌が望ましいと言えます。通常の性行為、オーラルセックスやキスなどでも感染があります。通常生活の接触では感染はないと考えていいでしょう。
通常の治療としては、アジスロマイシンのようなマクロライド系統、レボフロキサシンやシタフロキサシンのようなキノロン系の抗菌剤が、一般的に効果がありますが、耐性菌の存在もあるとされるので注意が必要です。
検査は、尿の培養検査や、PCR検査がありますが(令和四年時点)、現行では健康保険適応外の検査になるので自由診療の費用が必要です。尿道炎の全例に検査が必要なわけではありませんが、非淋菌非クラミジアの尿道炎、前立腺炎などの場合には検査を推奨します。
※当院では、ウレアプラズマ、マイコプラズマの培養検査(料金表参照)および、より精密な、ウレアプラズマ二種、マイコプラズマ二種のPCR検査(料金表参照)が可能です。特にこのPCR検査が正確さの観点から見てお勧めです。希望の検査を申し出てください。

ウレアプラズマと男性不妊症の関係について

男性不妊症の症例で精子所見の不良なケースで、その精液の中の感染症培養検査などで、ウレアプラズマは約38%程度も陽性であったとする報告があります。つまり精子の濃度の低下と、精子の運動性の低下と、ウレアプラズマ感染症との関連性が非常に高い有意性で見られるということです。ウレアプラズマは臨床現場では、しばしば非淋菌、非クラミジアの症例で、しつこい前立腺炎や慢性的な精巣上体炎でしばしばみられます。したがって、男性不妊症症例でも、このウレアプラズマ感染症は非常に重要な感染症の一つであると知っておくべきです。一般臨床現場では、現時点、尿の精密PCR検査法にてウレアプラズマが検出検査できます。適切に治療すれば除菌可能です。

コンジローマ
(尖圭コンジローマ)

これは陰部中心に発生する「いぼ」の様な皮膚病変で 大きくなるとカリフラワー状になってきます。HPV、ヒトパピローマウイルス、から起こる皮膚病変の性病の一種です。
男性の場合、仮性包茎の症例に発症が多いのが特徴です。慢性的な包皮炎で皮膚がぜい弱であればウイルス感染が起こりやすいからです。
男性器の特に環状溝や包茎の包皮の内側の内板部などが好発部位で、亀頭部や陰茎根部、陰嚢部、会陰部、そして肛門部位も重要な発生部位です。外尿道口にもしばしば発生します。
尖圭コンジローマの治療は外科的切除や専用の軟膏などの治療があります。
尿道周囲には専用の軟膏は使用できないので注意が必要です。粘膜に治療薬が付着することは避ける必要があるからです。
女性の子宮頸がんとの関連もあり、パートナー共々での治療が望ましいです。

まずは陰部の皮膚病変については、ネット情報などを見てあれこれ悩む方が多いですが、なかなか診断も難しいこともあります。
我々専門の医師の場合でも、一見しただけでは判断の付きにくい陰部皮膚病変も多くありますので、当院では、可能な症例については、きちんと病理学的検査を推奨して、診断の間違いをできるだけ無くすことを重要視しています。
陰部の皮膚の症状で少しでも気になれば、お気軽に受診してください。できるだけ迅速に治療して、そして診断が適切で、かつ苦痛が少ない治療法を皆様と一緒に考えていきたいと思います。

コンジローマについてさらに詳しく

性器疣贅(ゆうぜい)とも呼ばれます。コンジローマは、正式には、「尖圭コンジローマ」と言います。性行為などによって感染するヒトパピローマウイルス(HPV)が原因の病原体です。腟、陰茎、尿道、直腸などにイボができます。HPVというウイルスはその遺伝子タイプが100種類以上あります。尖圭コンジローマの場合は、HPV、特に6型と11型が関係し90%以上の原因ウイルスタイプです。HPVの6型と11型は性行為で伝染し、陰部、会陰部や、肛門周囲に感染し尖圭コンジローマを発生させます。HPVの中でも、特に16型や18型は子宮頸部、肛門、直腸に感染しますが、子宮頸がん、腟がん、肛門がん、直腸がんの発生リスクを高めるため、治療が必要になります。HPVはオーラルセックスでも感染し、口の感染症を引き起こして口腔がんのリスクを高めます。尖圭コンジローマは男性では、主として陰茎にでき、尿道口、肛門周囲、陰嚢皮膚、会陰部などにもできます。仮性包茎の患者さんでは特に発生率が高いです。なぜなら、慢性的な包皮内部の皮膚の炎症があるため、感染へのバリアが弱いからです。梅毒の感染でも性器疣贅が起こるので注意が必要です。HPV感染の予防のためのワクチンがあります。HPVのワクチンは4価:4種類のHPV・2価:2種類のHPVの感染を予防、そして9種類のHPVの感染を予防するワクチンも最近ではあります。4価ワクチンは、尖圭コンジローマの原因6型・11型HPVの予防に効果的です。HPVワクチン接種の年齢制限は男性の場合は26歳が一般的には推奨の上限とされています。※しかし、ここでいう上限の意味は注意が必要で、効率良いHPV予防を疫学的に検討した場合の上限であって26歳超えての接種が禁止の意味ではありません。27歳以上でも未感染のワクチン対応のHPV予防効果はありますし、合併症の心配もほぼないワクチンなので、個々の性生活の活動性やライフスタイルの状況によってワクチンの接種は推奨されるケースも少なくありません。高齢でも子宮頸がんを引き起こしている16型と18型のHPVの感染予防には2価ワクチンが有効です。

治療としては電気焼灼術、凍結療法などがあります。当院では、目立つ病変は局所麻酔での外科切除、電気焼灼処置を行い、必ず病理検査を行なって、診断を確実に間違いの無いように心がけています。イモキミドと言われる、尖圭コンジローマ治療専用のクリームの外用治療も併用はよく行われます。陰茎部などの尖圭コンジローマは大変再発しやすいもので、治療には長期間要することも多く、根気が必要です。本人の免疫力が大きく治療経過に影響します。

HPV・ヒトパピローマウイルス

ヒトパピローマウイルスHPVは生殖器などに感染するウイルスですが、実は、性行為経験のある男女であればほぼすべての症例が感染していると言えるウイルスです。そして重要なことは、子宮頸がん、咽頭がん、肛門がん、陰茎がん、そして外陰部がん、膣のがんなどの発生にヒトパピローマウイルスHPVが、強く関与します。特にヒトパピローマウイルスHPVの16型18型が発がんの原因となります。そして重要なことが、これら発がんのウイルスが、HPVワクチンによって予防できることが、わかっていることです。

現在日本国内では、HPVワクチンは停止になっています。しかし世界では60ヶ国以上で採用され、上記発がんの抑制に、ヒトパピローマウイルスHPVワクチンが非常に効果的であることがデータで示されています。

また非常に罹患者の多い、尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルスHPV6型11型の感染によるもの(感染から数ヶ月で尖圭コンジローマの皮膚腫瘍の病変発生は70%程度)ですが、ヒトパピローマウイルスHPVワクチンによってほぼ100%予防できます。また男性については、咽頭がん、陰茎がんのHPV関連性は非常に高く、各々16型18型のHPV関連寄与率は95%と87%となっています。

したがって適切なヒトパピローマウイルスHPVワクチン接種を行うことが発がん予防、性感染症予防の観点から極めて重要であると言えます。

HPV (ヒトパピローマウイルス) 4価ワクチン男性向け接種について

当院では疫学的利点を鑑み、男性への、HPV(ヒトパピローマウイルス)4価ワクチン接種を積極的に推奨しております。【ガーダシル】を採用しております。また、一般的な男性向けのガーダシルの推奨年齢26歳まで、は一応参考ではありますが、性的活動性の個人差は大変大きいものがあります。中高年男性であっても個々のライフスタイルによって、ワクチンの接種については(ワクチン接種のリスクもほぼ無く極めて安全性の高いものなので)安全性や利益を十分に検討し、積極的に推奨している状況であります。

尖圭コンジローマ・一部の中咽頭がん・肛門がん・陰茎がんなどの予防・パートナーの子宮頸がん・膣がん・外陰部がんの予防に、男性の接種も極めて重要です。

  • ※一回の接種料金18,700円(税抜17,000円)
  • ※半年で三回接種が必要です。
  • ※在庫があれば随時接種は可能です。
  • ※当院では基本的に対象は成人男性とします。
  • ※主な副作用は67%程度で注射部の腫脹や痛みがありますが、他重大な副作用は極めて稀です。四肢の不快感0.1~1.0%で重篤なアレルギー反応、アナフィラキシーなどは極めて稀で、一過性の蕁麻疹が0.4%未満です。
  • ※新型コロナワクチンとの接種間隔は、念のため、2週間は空けて頂くようお願いします。
  • ※当院は、ガーダシル副作用調査の協力機関です。接種後30分院内待機安静を保っていただきます。

HPVと男性不妊症の関連

HPVが男性不妊症と大きくかかわっていることはあまり知られていません。しかしHPVのDNAは精子の表面に結合して精子の運動、形態を悪化させ、精子内部のDNAを損傷されることがわかっています。また抗精子抗体の産生にも関与しており、かつ妊娠、受精率の低下を下げるのみならず、流産率を上昇させることがわかっています。したがって男女双方でHPVへの知識を持って、適切なワクチン接種などでしっかりとした予防を行っていくことが生殖医療の観点からも非常に重要であることは明らかと言えます。

梅毒

性感染症(性病関連)イメージ2

梅毒は、最近日本では増加が顕著な感染症の筆頭の病気です。
感染当初はあまりはっきりした症状がないこともありますが、陰部のただれのような病変などから始まるケースが多く、また陰部の扁平なイボやしこり、あるいは口腔内の病変、全身性の発疹なども発見の症状となります。
しかしこの梅毒は、症状に気づかれないまま放置されるケースが多く、蔓延の一因となっています。さらに発疹などで皮膚科など受診をしても、梅毒が気にされずに検査もされず、単なる湿疹や蕁麻疹と誤診され放置されることも少なくありません。
梅毒放置にて、ほぼ無症状で進行していき検診や人間ドックで初めて指摘される症例も散見します。
陰部の、梅毒初感染の病変は教科書的には無痛性潰瘍とも言われますが、現場においては、潰瘍に二次感染など起こって割と痛みがあって性器ヘルペスと見間違え易い病変もあるので十分注意して念頭に置くべき疾患です。
男性の場合では少し変わった感じの包皮炎程度で、包皮の肥厚程度で梅毒が見つかるケースもあり診断には多くの経験が必要ですので、うたがったらまず検査を鉄則としてください。

梅毒の確定診断には採血検査などが必要になります。精密な梅毒定量検査をお勧めします。
過去には恐ろしい感染症でしたが、現在では、適切な抗菌剤にて適切に治療は可能な病気です。進行すると神経など他の臓器に障害が発生することもあります。また先天性梅毒など、胎児への感染も現在でも報告されることがあるので、近年増加の顕著な非常に重要な疾患であり妊婦や妊娠を望むカップルでは梅毒検査は必須でしょう。決して過去の病気だと侮らずに対処することが必要です。

梅毒についてさらに詳しく

病原体は、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)です。菌を排出している感染者との粘膜の接触を伴う性行為などによるものが主な感染経路。感染後3~6週間程度の潜伏期があります。したがって外来で検診の場合一部の症例では二回検診を推奨することも多いです。
梅毒は病期によって分類されます。第Ⅰ期 は感染後約3週間後に梅毒トレポネーマが進入した局所に、初期硬結、硬性下疳(潰瘍)が形成されます。リンパ節腫脹を伴うことがあり。無治療でも数週間でこの状況はいったん軽快します(だから早期発見は非常に重要です)。第Ⅱ期は、梅毒トレポネーマが血行性に全身に移行する段階です。第Ⅰ期の後に4~10週間の潜伏期を経て、手掌・足底を含む全身に多彩な皮疹(バラ疹とも言われます)、粘膜疹、扁平コンジローマ、梅毒性脱毛等が出現します。Ⅱ期では、発熱、倦怠感等の全身症状が出ることもしばしばあり、何とも言えず体調が優れないと訴える症例が多いです。しかし、この第Ⅱ期の状況であっても、数週間~数ヶ月で無治療でも症状は軽快し、気づかなければ病期は進行していきます。
潜伏梅毒とは、 梅毒血清反応陽性であっても症状が無い症例です。このころに検診で引っかかって無症状で受診に来る症例も最近では多いです。第Ⅰ期と第Ⅱ期の間の症状が無い時、第Ⅱ期の症状消失後の状態が潜伏梅毒です。したがってこの症例の早期発見と治療が、感染拡大予防のためにとても重要なのです。
晩期顕症梅毒とは、無治療の場合に起こる最終的な梅毒の病期です。
晩期症状は、数年~数十年の長い経過を得て、肉芽腫様病変(ゴム腫)、大動脈拡張・心血管梅毒、進行麻痺、脊髄癆・神経梅毒に進展しますが現代では稀です。
梅毒の治療はますはステルイズ筋肉注射が効果的です。また日本国内では主にペニシリン系抗菌剤内服をしっかり長期間することも多いです。
推奨されている内服治療は経口合成ペニシリン剤(アモキシシリンなど)を十分量、最低でも一日1500mgをしっかり長期間(第Ⅰ期でも最低2~4週間、第Ⅱ期でも最低4~8週間)投与することです。不十分な治療期間による再燃もしばしばあります。
治療して、最初のころに、発熱、蕁麻疹が出ることがあります。解熱薬や抗ヒスタミン薬剤にて対処します。
外国では、ペニシリンG筋肉注射が多いですが、日本ではペニシリンGの筋注は主流ではありません。
今のところペニシリン系抗菌剤に、梅毒トレポネーマは耐性は無いと報告されています。

梅毒の治療選択肢
「ステルイズ®水性懸濁筋注」
(一般名:ベンジルペニシリンベンザチン水和物)について

昨今まで日本国内では梅毒加療としてはペニシリン製剤の経口投与が主流でした。しかし海外ではペニシリン製剤の注射が多く用いられます。ファイザー社から発売された「ステルイズ®水性懸濁筋注」(一般名:ベンジルペニシリンベンザチン水和物)は2022年1月26日国内発売の薬となりますが、早期梅毒であれば一回の注射で有効な治療ができるとされています。梅毒の病原体、梅毒トレポネーマの殺菌に、7~10日間、血漿中ペニシリン濃度0.018µg/mL以上保つ必要があります。つまり一定期間、体内でしっかりペニシリンが有効な濃度で保たれる必要があるということです。内服でも一定時間おきに定期的にしっかり飲み薬を飲むことが大切なのはこのためです。この注射薬剤、PCGベンザチンは筋肉に注射されて、その注部位から徐々に体内に放出されます。そしてペニシリンGに加水分解されて吸収されるため、血中濃度が長時間持続します。日本人健康成人(単回投与)の臨床試験においても、血漿中有効濃度(0.018µg/mL)以上を約23日中央値として、維持できた、つまり十二分な梅毒トレポネーマ殺菌のための薬物動態が確認されています。後期梅毒では週一回三回の投与が必要です。しっかり内服するコンプライアンスの不良な症例でも注射でしっかり治療を行うことができるメリットがあります。また梅毒トレポネーマがペニシリンに耐性が今は報告がないことも大切です。
この注射の液体は、かなり粘っこい粘性の高い液体なので、かなり太い注射針で、臀部の筋肉に注射する必要があります。しかし臀部注射にあたっては、当院では麻酔シール薬の使用もあって、実際意外なほど痛みはありません。しかし血液さらさらの薬を飲んでいる一部の症例や、筋肉や骨格の問題で臀部筋注が不適切な場合は、治療選択から外れる場合もあります。
注射の合併症としては、三日程度の臀部筋肉痛があります。注射当日はできるだけ安静にしてください。他には内出血、神経損傷、筋肉の萎縮障害、慢性疼痛などが列記できますが、これらは稀です。臀部への筋肉注射については、最近ではそれほど高頻度で臨床現場において見ることは無くなってきたので、現実では、意外に臀部筋肉注射に慣れていない、看護師・医師も割と多いので、一応ご注意ください。
非常に優れた梅毒治療薬と言えますし、当院でも希望者が多いのが現実です(当院では国内承認直後から全国でも先駆的に率先してステルイズ使用を行っています)。今後は、実際の日本人での治療経過などのデータが必須ですが、薬物動態の観点、コンプライアンスの観点などからみて梅毒治療の有効な選択肢であることは間違い無いと言えます。今後日本国内でもますます積極的に使用されるものと思います。国内での臨床使用結果に注目をしていく必要があります。

肝炎

性感染症(性病関連)イメージ3

性感染症で、肝炎が関連すると思っていない方が非常に多いですがB型肝炎はじめ一部肝炎は性行為などでの感染があります。採血検査・腹部超音波検査などで判断いたします。重症になることもある疾患なので心配な場合は必ず受診してください。気になる症例があれば随時検査は採血のみで可能ですから是非とも相談に来てください。

当院ではB型肝炎、C型肝炎の検診を性病検査検診で行っています。また一部症例では必要な場合にはA型肝炎のチェックも行っています。

肝炎ウイルスに感染している人は日本国内でも300万人~370万人と推計されていますので大変多くの患者さんが日本国内に存在します。重大な病気である肝臓がんの原因の約80%はB型・C型のウイルス性肝炎で、約15%がB型肝炎由来と言われています。当院で検診して、異常が発見された場合には、速やかに、肝臓疾患専門の高次医療機関に紹介して、その専門医療機関にてしっかり治療を受けていただくこととなっています。

HIV・エイズ

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HIV、エイズの名前はとても有名であります。潜伏期間もありはじめはほぼ無症状に経過します。少しでも感染接触の危険があるのであれば是非とも検診を受けるべきです。最近ではウイルスに対抗する有効な薬剤が多数使用されていますので、ずいぶんと病気の発症を遅らせるコントロールができるようになってきました。心配であれば、悩む前に検査しておくことをお勧めします。検査結果、診察内容についてはプライバシーに配慮しております。

HIVとは、Human Immunodeficiency Virus(ヒト免疫不全ウイルス)のことです。Tリンパ球やマクロファージ(CD4陽性細胞と言われるものです)などに感染するウイルスです。したがってHIVの感染が悪化すると免疫力が低下することとなります。HIVにはHIV1型とHIV2型があります。当院では検診時HIV1型とHIV2型両方の、抗原、抗体を調べています。HIV検査にて異常が見られた場合には、専門の高次指定医療機関に速やかに紹介して、精査・治療を受けていただくこととなっております。

しかし、現在はHIV感染症の治療は大変進歩しており、ウイルス抑制に成功する症例ではほぼ非感染の症例と同様の生活ができますし、他への感染もないものと考えられていますので早期発見が何よりも大切になってきます。 案ずるよりも検診が第一だと思います。

HIV感染の予防法について

<抗HIV薬の曝露後予防内服(PEP post exposure prophylaxis)について>

PEPとは、曝露後予防(post exposure prophylaxis)と言います。HIV感染者との性的接触、医療的な針刺し事故などHIVに感染する危険性を含む行為(いわゆる曝露)から72時間以内に、抗HIV薬(HIVに対する治療薬)の内服を開始して、HIVに感染するリスクを低下させる予防的な服薬治療です。ここで述べるものはnon occupational post exposure prophylaxis(nPEP)非職業的暴露後予防内服のことです。一方、感染機会の事前から服薬して予防をはかる(PrEP)という予防服薬法ありますがPEPとは別のものです。PEPが開始された場合、内服を28日間続ける必要があります。抗HIV薬剤はAZT単剤でも感染リスクを80%以上低下させますが、2005年以降では、二剤あるいは三剤の併用が推奨されより、高い感染リスク低下の効果があります。現在では最も効果の高い三薬剤併用が推奨されていますので当院ではガイドラインに従い、三薬剤配合錠を、毎日決まった時間に28日間服用していただくことにしています。複雑な飲み方をしなくても大丈夫な、一日一剤の投与でわかりやすいものです。

<対象症例>

HIV感染者やHIV感染の可能性がある者との性的接触や血液等への暴露など感染の危険がある事象から72時間以内の症例が基本的なPEP対象症例となります。しかし72時間を多少過ぎても予防投薬の意味はあるとされています。 ※すでにHIVに感染している症例はPEP対象外。
※治療中の症例も対象外
※B型肝炎の症例も対象外
※腎障害、肝障害など合併症の多い症例も当院では対象外としています。より高次の医療機関での対応を受けてください。
※性交渉後の曝露後事前予防目的の治療(PrEP)は別項目参照のこと。

<治療の詳細>

全て自由診療になります。
◆下記の検査が必須です。
【初診時と投薬開始4週間後】
・一般採血検査、尿検査、HIV・B型肝炎・C型肝炎・梅毒・淋病(尿、咽頭)・クラミジア(尿、咽頭)検査
【投薬開始2週間目】
・一般採血検査、尿一般検査
【投薬終了後の1か月目と3か月目】
・一般採血検査、尿一般検査
☆説明の上、治療検査に承諾をいただき、同意書に署名していただいた症例が対象となります。

<治療の詳細>

【PEP療法の副作用】
・主なものは軽度の吐き気、消化器症状などがあります。
・重大な副作用は稀ですが、腎障害、乳酸アシドーシス、肝臓障害などです。
・他は頭痛、めまい、不眠、発疹、脱毛症、ねむけ、疲労感などが稀にあります。


<PEP療法と併用禁止の薬>

下記の薬を飲んでいる症例はPEP療法は行えません。
・リファンピシン(抗菌剤)
・フェノバルビタール(抗てんかん薬)フェニトイン、ホスフェニトイン、カルバマゼピン
・セントジョーンズワート(食品)
・他のHIV治療薬



【要注意薬剤】

・メトホルミン、ビルシカイニド
・アシクロビル、バラシクロビル、バルガンシクロビル、アタナザビル(抗ヘルペス薬)
・リファンピシン
・マグネシウム、アルミニウム、鉄分、カルシウム含有製剤


<費用>

【費用】 
①「基本的PEPコース料金」…498,000円
※薬剤、初診料、再診料と検査代金(投与二週間後、投与4週間後、8週間後、4か月後)が含まれます。ただし、その以外での日程の診察や追加の検査などは別途、費用が必要になります。ご注意ください。

②「 薬剤料金のみの場合」」…PEP薬剤三種合剤先発品国内認可薬 33日分 330,000円
※諸検査も投与後必要ですが別途検査代金は必要になります。

<曝露前予防内服 pre exposure prophylaxis(PrEP)>

「PrEPの大切なポイント」
◎HIV感染症の非常に重要な予防方法の一つであり適切な運用でHIV感染症のリスクとほぼゼロにできます。
◎当院ではデイリーPrEP(毎日服用方法)を採用して提供しております。
◎一部の症例ではオンデマンド法PrEPの適応があります。
◎二剤併用投与でありHIV治療には不十分であるため、HIVの感染が無いことを証明してからの服用開始が必要です。なぜならHIV感染者へのPrEPには耐性ウイルス発生のリスクが生じるためです。
◎当院では実績の多いをツルバダ配合錠の一日一錠投与法でPrEPを行います。腎臓の機能低下に応じて投薬の減量を行います。
◎効果発生まで最低でも7日間以上の内服継続が必要です。女性の膣粘膜などでは20日以上の内服で予防効果があるとも言われおり十分な投与先行期間が必要です。
◎治療の停止時期は、性的接触の最終日から二日間は最低治療を行ってからの停止は可能であるとされているので参考にしてください。

<PrEPの適応ができない症例>

・HIV感染者、B型肝炎の症例
・腎機能が不良な症例
・下記の投薬を行っている症例
 シダノシン アダザナビル ロビナビル リトナビル ダルナビル レジパスビル ソホスビル 抗ヘルペス薬剤 腎毒性のある薬剤 など

<PrEPの副作用>

腎不全、膵炎、乳酸アシドーシスなどの重症なものもまれにあります。吐き気や下痢など、頭痛、疲労感、めまいなどです。

<PrEPの治療の詳細>

◎全て自由診療になります。 下記の検査が必要です。 【初診時】
 一般採血検査、尿検査、HIV・B型肝炎・C型肝炎・梅毒・淋病(尿、咽頭)・クラミジア(尿、咽頭)検査

【投薬開始1か月後】
 一般採血検査、尿一般検査、HIV検査

【投薬開始3か月目】 ※以後は下記検査をカ月ごとに行う。
 一般採血検査、尿検査、HIV・B型肝炎-・C型肝炎・梅毒検査

  ☆説明の上、治療検査に承諾をいただき同意書に署名していただいた症例が対象となります。  【薬剤の料金】

PrEP用 抗HIV薬剤二剤配合錠 
●30日分 110,000円(税込)

<PEP PreP療法の重要なこと>

PEP PrePともWHOの推奨する世界的には標準的予防治療ですが、日本国内では適切な服薬をおこなっていて、万が一不幸にも重大な副作用が生じた場合に、現時点では基本的に、副作用救済制度の対象外の状況であり、有事の場合、個別に副作用救済制度の窓口に問い合わせや相談が必要になりますのでご注意ください。また薬剤の副作用についての対応も自由診療になることと、当院は副作用に対しては免責をさせていただきますのでご注意ください。

性器ヘルペス感染症
(性器ヘルペス、陰部ヘルペス)

水ぼうそうや、口角に時々できたりするいわゆる痛みのある水泡などと同じ仲間のグループのウイルスから発症します。多くは水泡形成(水ぶくれ)して痛みがあり、熱が出たり、鼠径部のリンパ節が腫れたりします。つらい痛みもあり、治療が遅れたり放置すれば慢性的な疼痛がずっと残ってしまったりします。さらには、非常に再発しやすい病気であり、かつその再発の頻度や確率は、初期治療でどれだけしっかりウイルス対策をしたかに左右されます。したがって、初診から強力に治療し徹底してウイルス除去につとめ、疼痛も管理することが最重要です。
陰部の水疱、潰瘍、痛みのある発疹など、少しでもおかしいと思ったら至急診察に来てください。

性器ヘルペス感染症についてさらに詳しく

性器ヘルペスウイルス感染症(genital herpes simplex virus infection)は陰部ヘルペスとか性器ヘルペスと呼ばれるものです。単純 ヘルペスウイルス(HSV)の感染により、性器やその周辺に水疱・潰瘍・びらん等ができて、通常では、痛みが伴います。また、その水疱部などに二次的に細菌感染も被ってくる症例もあります。HSV感染者との性行為、およびその類似行為が感染経路となります。感染者が無症状でも、性器の粘膜や分泌液中にウイルスが存在する場合には感染する可能性がありますので、注意しましょう。感染者の唾液中にHSVが排出されていることもあります。オーラルセックスでも感染する可能性があります。

抗ヘルペスウイルス剤を服用および外用が主な治療となります。疼痛への対応も必要になることが多いです。神経痛の原因になります。ヘルペスウイルス(HSV)は一度感染すると人間の神経節(神経の一部)にずっと潜伏してしまいます。体力低下や、免疫力の低下した時などに単純 ヘルペスウイルス(HSV)は再活性化します。したがって、単純 ヘルペスウイルス(HSV)感染者は長期間の再発が起こり、長年苦しむことになります。いわゆる完全治癒はとても難しい疾患の一つです。
いったん沈静化しても、厳密には単純 ヘルペスウイルス(HSV)根絶はできていないと言えます。

またとても大切なことですが、性器ヘルペスに初感染して一年程度の期間は、臨床上の再発が無い場合でも、ぴりぴりした皮膚の症状や、皮膚の違和感などの皮膚の症状(この皮膚の症状発生時には神経節細胞内部にてヘルペスウイルスは増殖している状況です)に先んじて皮膚病変部にヘルペスウイルス(HSV)が検出されることもあるということです。だから特にヘルペス初感染の場合には、初感染から一年程度は、皮膚が完治しても他への感染リスクが完全には排除しにくい可能性がることは覚えておいて欲しいことです。

当院の性器ヘルペス患者さんへの対応では、視診はもちろんですが、病変部の皮膚粘膜のヘルペス抗原検出の検査を基本的に全例に行うようにしています。これは綿棒で病変部を擦過して(こすって)ヘルペスウイルスのⅠ型、Ⅱ型の抗原があるかどうか調べる検査です。検査結果は数日要しますが、その結果で、ヘルペス抗原が同定できれば、ほぼ間違いなくヘルペス感染症と断言できます。しかし一方で、偽陰性といって、実際には性器ヘルペスなのですが、ウイルス量が少なかったりして、結果として陰性になってしまう例も一部ありますので、二回目の検査を行うこともありますし、目視での臨床的な所見でヘルペスと診断して投薬治療を行うこともありますので、この点はご理解ください。しかし非常に紛らわしい皮膚病変が多い陰部の皮膚症状なので、このヘルペス抗原の検出検査はとても有効で重要であります。性器のみならず口唇ヘルペスや他のヘルペス感染症でもこの検査は行っています。

毛じらみ

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意外に現在でも頻度の高い疾患です。通常は、非常に強いかゆみが陰毛周囲に起こります。陰毛周囲に住みつくシラミが原因で、専用の外用薬や、毛髪の処理、剃毛や除毛などで対処することが必要になります。家族内や職場など近隣への感染もあり得るため、周りの人々に広がる前に適切に対処が必要です。
陰部のかゆみがある場合、可能性がある疾患です。人によっては自己で診察、観察して陰毛部に虫体を発見して受診される方もいらっしゃいます。

毛じらみ症についてさらに詳しく

毛じらみ症は、吸血性の昆虫であるケジラミが寄生することで発症します。陰毛だけではなくどの部の毛髪にも寄生する可能性があります。強いかゆみを伴うことが多いです。毛髪に毛じらみの虫体や卵、糞便などが観察されます。感染者との肌の接触で感染が起こります。また共用のタオルや公共のマット、脱衣かごやロッカー使用などで間接的に広がるケースもありますので注意が必要です。
治療としては0.4%フェノトリンパウダー(スミスリンパウダー)と0.4%フェノトリンシャンプー(スミスリンL)の2剤が日本では主に使用されます。当院では0.4%フェノトリンパウダー(スミスリンパウダー)を全身の毛髪部へ使用していただくことを、週に一回、複数回反復して、虫体と卵の完全駆除を目指しています。抗アレルギー薬やかゆみ止めを併用しています。パートナーや一緒に生活する家族の検診も推奨します。

性感染症に関してよくある症状

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  • 陰部、外性器のできもの、皮膚の異常
  • またの付け根のぐりぐり
  • 水ぶくれの様な痛みがある皮膚病変
  • 痛みはないけど潰瘍みたいな陰部の傷
  • カリフラワー様の少し変わったごつごつしたイボ
  • おしっこする時の痛みや残尿感
  • 陰部のかゆみや皮膚・粘膜の赤み
  • 陰茎包皮から白いカスが出て違和感・かゆみがある
  • 異常な量のおりもの
  • 膣掻痒感、外陰部掻痒感
  • 尿道から膿が出る
  • 尿道口から分泌物がある
  • 発熱やのどの痛みなど
  • 口腔内の潰瘍や異常な粘膜
  • 性感染症の症例との接触
  • 原因不明の倦怠感
  • 発疹がでてきた
  • 風邪にしてはなかなかのどの違和感がなおらない
  • 睾丸の痛みや違和感
  • 肛門の掻痒感

などであります。

性感染症は早期発見が何より大切ですので、上記症状以外でも気になることがあれば受診をして適切な検診を受けておくことがとても大切です。採血検査や尿検査など、検査については特別に痛いことや辛い検査はございません。

基本的な診察の流れについて

1. 問診 正確に記載してください

正確な生活歴の確認は病気の診断にとても役立ちます。

2. 尿検査・検温 など

受尿の検査にて クラミジアや淋菌もDNAレベルで正確に検査します この検査は 結果判定まで数日はかかります。

3. 視診 触診(陰部・性器について)

特に誰かに見られることもなく、恥ずかしいと思うかもしれませんが皮膚や外性器の視診、触診はとても重要です。 以後は症例によって追加する検査です。

4. 腹部超音波検査(エコー検査・痛みなしの検査です)

鼠径部のリンパ節の検査、精巣や精巣上体のチェック、他の尿路感染症のチェックなど。

5. 血液検査

種々の病原体、細菌、ウイルスの有無について、血液一般の採血データと合わせて評価・診断するために必要となります。 結果判定に1日から数日要するものまでありますので一部の検査について当日説明ができませんのでご理解ください。

以上が診察の一般的な流れになります。

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特別にしんどい検査はありません。しかも我々は守秘義務を順守して患者さんの身体・プライバシーの安全保護については最大限の配慮をしております。
梅毒を始め、幾つかの性病も決して過去の病気ではありません。放置すれば病状が悪化する懸念もあります。

またとりわけ、これからお子様を授かりたいと考えている様な若い男女の場合には、性病一般は妊娠や胎児の成長、出産にも大きな影響があります。時には不妊症の一因になったりします。 恥ずかしいや診療に行きにくいという気持ちは凄く理解できますので、その思いはきちんと我々医療機関は受け入れをいたします。安心してまずは相談に来てくださると嬉しいです。

性病一式検査(自費診療)について

性病一式検査セット

性病一式検査セット 料金:10,780円
(税別 9,800円)

結果説明と結果書類お渡しについては約5~7日後に可能です(上記料金に含む)。基本的なセットで一般的な性病検査です。尿検査 血液検査にてクラミジア 淋菌 梅毒 B・C肝炎 HIVを検査。
性病について少しでも不安がある方であればどなたでも検査可能です。性病検診でしっかり確認をしましょう。
もし検査結果に異常が見つかった場合は適切に対処します。肝炎やHIVについては専門高次医療機関への紹介となります。
保健診療ではありませんので保険者に情報が行くことは全くありません。当然プライバシーは完全に保護され、保険機関、職場、ご家庭などに受診の情報が伝わることは一切ございませんのでご安心ください。

STD検診プラスPCR精密検査セット

STD検診プラスPCR精密検査セット 料金:26,400円
(税別 24,000円)

一番推奨する精密で新しい検査です。トリコモナスのPCR検査、ウレアプラズマ二種・マイコプラズマ二種各々のPCR検査をさらに追加したものです。徹底的に性病検査希望の症例には強くお勧めします。咽頭クラミジアや淋病も大切であり、ウレアプラズマ、マイコプラズマ尿道炎も精査きることはとても重要なポイントです。