包茎手術を考える前に

日本人男性の70%くらいは仮性包茎であります。勃起や性行為など他日常生活で全く支障の無い場合には包茎手術をしないといけないわけではありません。包茎が完全に悪いことであるかの様に、極端に悪く考える必要はないと思います。 たしかに包茎によるデメリットも少なからずありますのでその点もしっかり理解していくことは大切です。
また、今のインターネット社会においては、包茎に対しての劣等感を必要以上に感じさせられたり、手術しないと大変なことになると脅されるような、魔法の様に陰茎を大きくするような治療方法について等、あまり医学的に正しくはない情報も数多く出回っています。このような不良で不正確な医学情報もどきに振り回されない様にしましょう。

包茎手術を積極的に考えても望ましい症例はいくつかあります。下記の症例を参考にしてください。

①包皮炎を繰り返す場合

この場合仮性包茎の被覆されている内板という皮膚の部分が慢性炎症を起こしており、恒常的に不潔な状況にある可能性が高いので、包茎手術によって、不良包皮の除去と、露茎(包茎を解除して亀頭部露出すること)することで蒸れて不潔な環境を改善できますので、治療が期待できます。

②勃起時に絞扼感(締め付け感)や包皮たわみなどの不快感があるケース

この場合も、せっかくの性感に対して、包茎のため障害がでており手術にての改善が期待されるケースです。

③リング状に包皮の炎症があり切れやすくなって外用でも治癒しにくい場合

この場合は慢性皮膚炎の部、包皮の炎症部の切除によって、慢性皮膚炎の解決ができる可能性があるため包茎手術も検討することとなります。

④包皮の内部が特に夏場など悪臭がしてどうしても外用で改善しない場合

この場合は慢性的な包皮の被覆によって内部の内板が清潔ではない状況にあり、恥垢などの悪臭があるものと思います。外用から治療しますが改善しない場合は包茎手術も検討する価値はあります。

⑤いろいろなことを検討したが見た目に綺麗に露出した亀頭にしておきたい場合

この場合は審美的な本人の好みであります。包茎手術のメリットとデメリットをしっかり検討判断して、納得の上で手術を進めていくこととなります。

また包茎手術において、異常に高額な費用が請求されたり、陰茎の増大をうたった医学的には適切ではないような治療方法を半ば強制的に進められる悪質なケース、そして泌尿器科や男性器の専門医ではない医師が未熟な技術で執刀をする報告なども散見されますので、実際手術を受ける医療機関と十二分に協議相談して、自分自身の大切な男性器のことですので、納得するように、安全な治療を受けましょう。

包茎手術

北村クリニックでの包茎手術のお約束

包茎の問題は男性にとって、とても大切なことです。当院では男性科診療所として、包茎の手術では大切にしていることがいくつかございます。
それは、まず機能的な点を重要視する。勃起、射精、そして性感を大切に考えます。そしてもう一つは、人それぞれ無数に包茎のパターンがあるので、個々人にあった、それぞれでベストの手術デザインを考えます。さらに、手術の安全性、快適性について十分配慮すること、これをお約束いたします。

包茎について

包茎には

真性包茎
男性器の亀頭部が包皮(皮膚)に包まれたままで外に露出しない
仮性包茎
非常に露出しにくい状態(通常は皮が亀頭を覆っている)
嵌頓包茎
包皮が狭小化(狭いところがある)しているために勃起時や包皮飜転(皮をめくる)時に陰茎を締め付けてしまい痛みがある、または腫れてくる。(一部は緊急で整復が必要)

などの症例があります。

包茎自体が緊急性の高い疾患ではありませんが、亀頭部が常時皮膚に覆われていますので、不潔になりやすく、性感染症のリスクが高いなどと言われております。また勃起時痛みなどあれば性行為障害につながりますので、手術にての治療をお勧めします。

包茎の手術について

※基本的に、当院での包茎手術は審美的な要素と機能的な要素共に重要視しており、保険外診療の手術料金設定となりますのでご注意ください(料金表参照)。

  • 局所麻酔にて30~40分程度で終了します。
  • 見た目がきれいに、格好良くなるように手術は工夫します。
  • 包皮の炎症や亀頭部周囲の癒着によっては希望通りの形成手術が不可能な場合もあります。
  • 性感の敏感な皮膚は温存して性行為に支障がないように配慮します。
  • 溶ける糸(吸収糸)で縫合しますので抜糸などの処置は基本的には不要です。
  • 浮腫(むくみ)や創部周囲、陰茎周囲の皮下出血はほぼ全例に起こります。通常は約2~3週間で自然軽快します。
  • まれに感染や縫合不全(緊急で再縫合が必要になることは極めてまれ)があります。
  • 時に、リンパ浮腫、創部のケロイド形成や硬化変化などが残る場合があります。
  • 入浴や性行為の開始などについては、医師の指示にしたがってください。
  • 術後、安全のため数回は診察が必要になりますのでご理解ください。
  • ごくまれに再手術が必要な場合があります。

「包茎手術」の手術を
受けられる患者さんへ

当院が包茎手術で大切にしていること

まず、大切な男性器を取り扱うことの重大性を十分理解することから始まりますが、医療行為では安全性が何より大切だと考えています。そのため術前検査も健康チェックを兼ねて安全確認のために行いますし、看護師からの術前後のオリエンテーションも診察時に合わせて基本的に全員受けていただくことになります(お時間は15~20分程度です)。また亀頭部を増大するとの名目での各種薬剤の陰茎部への注射については一切行っておりません。また陰茎部への異物挿入についてもまた一切行っておりません。亀頭部への薬剤注射や異物の陰茎部挿入などについては、異物反応による腫脹や肉芽形成、変形、性感の悪化なども懸念されますし、また長期に体内に残る成分の注射が血流障害をきたし、性器の血流不全、壊死など重症合併症の報告もあるからです。性器が仮に増大しても、病的な腫れや腫大の場合には何ら良いことはないと考えます。このように安全性に多少なりでも疑問がある医療行為については一切行っておりませんので、何卒ご了承ください。また手術の料金については、基本的に一切料金追加も行っておりませんので経済的にもご安心いただけるかと思います。

包茎でお悩みの男性へ

包茎でお悩みの男性のイメージ

北村クリニックは泌尿器科専門診療所であり包茎のご相談で受診される方がたくさんおられます。まだ受診はしていないが包茎について悩みを持っている男性は世間では非常に多いものです。まずは皆様の包茎のお悩み解決の手助けになろうかと考え、北村クリニックではどのような悩みで受診される方が多いか症例の例を挙げてご紹介したいと思います。
包茎について治療を少し考えたい、包茎の問題について現に悩んでいる、あるいは自分の性器についてコンプレックスや心配がある、などの方々にとって少しでも参考になれば幸いであります。

包茎手術は決して若者だけの問題ではなく壮年期の症例もたくさん相談に来られます。北村クリニックでは10代半ばから60代半ばくらいまでの幅広い年齢層で包茎手術治療を行っています。一番重要視していることが、やはり性機能です。そして排尿の機能。最後に見た目の問題です。見た目ばかり重要視すると包皮過剰な切除で勃起時突っ張りや、ややもすると勃起で陰茎屈曲などがおこります。したがって北村クリニックでは包茎手術の際、性感を保持し、勃起時に不快感を起こさないように十二分に配慮して手術を行います。審美的な理由のみで性感の高い大切な部位の陰茎皮膚を切除を過剰にすることはありません。男性科専門医師として、男性機能については最も配慮して診療・手術を責任もって行います。是非、ご相談に来院してください。

包茎のデメリットについて

日本人の多くは仮性包茎であると言われています。通常の場合、亀頭が包皮に覆われており、亀頭と包皮の間の空間に、汚れがたまりやすく、細菌や真菌(カンジダなどのカビ)が繁殖しやすい状況になります。またそのような、蒸れて不潔な環境から、慢性的な包皮炎が生じやすい状況になります。そのような、慢性の炎症がある皮膚は、感染症への抵抗力が弱いため、各種感染症、性病、にかかる確率が高くなります。尖圭コンジローマなども仮性包茎の症例に多いのが現実です。またHIVなど感染症にもかかりやすい状況になると言われています。そして慢性の包皮炎は陰茎がんの原因にもなるとされていますので、こちらは非常に生命に直結する問題となります。そして何より、常時不潔であれば陰茎部が悪臭もあり、性行為などでもパートナーに不快な思いをさせてしまうこともあるかもしれませんし、また自分自身がなんとなく自信が持てない原因ともなりえるでしょう。亀頭部や包皮の一部がぜい弱で過敏な状況であれば、時には過剰な性感から早漏のリスクを高めることにもなります。このようにたかが包茎ではなく、男性にとっては、極めて大切な問題が多いということを是非知っていただきたいと思います。当然、真性包茎などで重症であれば、排尿にも障害が生じますので、これもまた緊急疾患の一つとなります。

包茎手術のメリットについて

包茎手術の基本は露茎(ロケイ)といって、亀頭部が露出するように形成することです。これは、いつも包皮に覆われていて、常に蒸れて不潔な環境にあった、亀頭部とその周辺のエリアの清潔性をアップさせることになり、そして同時にその部位の皮膚が健常で丈夫になります。これが最も重要なポイントと言えます。

  1. 亀頭部やその周辺の清潔性が上昇すること。
  2. 包皮炎になる頻度や可能性がかなり減少すること。
  3. ぜい弱な亀頭部やその周囲の皮膚が露出することで強くなること。
  4. 亀頭部周囲の皮膚が強くなることで性感染症(尖圭コンジローマ、HIV、梅毒)などへの罹患リスクが減少すること。
  5. 早漏傾向の改善するケースがあること。
  6. 絞扼などを伴う包茎の場合が多いのですが、包茎手術後には性行為に伴う感度が改良され、性感がより快感につながりやすくなること。
  7. 性器の汚れが減って悪臭などの予防がされ性行為などの時にコンプレックスを持ちにくくなること。
  8. 慢性包皮炎と包茎の場合には長期的視点で、陰茎がんの確率が包茎手術で下がると考えられること。
  9. 男性自身が包茎手術後に自身の性器に自信を持つことが増える傾向があること。

ざっと一般的に上記のメリットが主なものと考えられます。

包茎手術のデメリットについて

包茎の手術自体のデメリットとしては、生命に重大な影響を及ぼすようなことは極めてまれでありますが、いくつかポイントがあります。通常の仮性包茎手術の場合、健康保険適応で包茎手術を行うことはむつかしいので自費診療での手術となります。よってある程度の手術料金が必要となって個人の負担としてかかります。このコスト面では確かにデメリットがあります。成人男性で純粋な保険適応になるような真性包茎は、それほど頻度は高くありませんので、多くの仮性包茎の症例にとっては当てはまることと思います。
また手術による合併症として、勃起時の違和感、性感の変化、手術の創部のケロイド形成などから不快感が生じる場合があります。また手術後のリンパ浮腫などで少しむくみが残る症例も一部あります。そして自分が思っていた出来上がりと異なっていることから、再度形成手術を希望する場合も時にあります。当院でも、数年に一例くらいの頻度ですが、手術後の微調整の希望で再度手術を行う症例が確かにあります。いずれのケースも再手術後は満足を得られていますが、包茎手術後の再手術が決して無いわけではありません。

このように、包茎手術については、各自がメリットとデメリットをしっかり自分なりに検討して熟考して、納得いく医療機関で手術を受けることが肝要であると言えます。